リベルサスが肥満治療に適していない理由
リベルサス(一般名:セマグルチド)は、もともと2型糖尿病治療のために開発された薬剤です。
本来のセマグルチドは注射製剤ですが、特定の技術を用いて内服製剤にしたものがリベルサスです。 糖尿病治療においては、本来なら注射製剤のセマグルチドを投与したいところですが、患者がどうしても注射製剤を苦手とする場合に処方されることがあります。
効果:
◦血糖値の改善
◦副次的な体重減少
ただし、リベルサスをダイエット目的で使用することには注意が必要です。 自由診療であっても科学的根拠に基づかない安易な使用は推奨されません。リベルサスがダイエットに向かない理由は以下の通りです。
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ダイエット薬としての基準を満たしていない:
一般に、体重減少を目的とした薬剤は5%以上の減少を示すことが求められます。リベルサスはこの基準を満たしていません。
本来の適応症が異なる:
リベルサスは、2 型糖尿病治療薬として開発されたものであり、体重減少は副次的な効果とされています。リベルサスは
安全性データが不十分:
ダイエット目的での安全性に関するデータが不足しています。
服用制約:
服用方法に制約があり、生活スタイルによっては不向きです。朝起きてから 30 分間は水しか飲めないという制約があり、日常生活における実用性を重視すると、選択肢を狭めてしまう可能性があります。
効果がない場合:
糖尿病でない人が使用しても効果がない場合があります。
臨床試験における安全性の懸念:
一部の臨床試験では、治験期間中の死亡例が報告されています。但しこれがリベルサスの直接的影響かは明確ではなく、慎重な解釈が必要です。
入手困難な状況:
リベルサスの 25mg 錠、50mg 錠は、2024 年 6 月時点では、米国でも日本でも販売も承認もされていないため、入手は困難です。
十分な効果が得られない可能性:
リベルサスは朝起きてすぐに服用し、その後一定時間は水しか飲んではいけないとされています。適切に使用しない場合、本来の目的を十分に得られない可能性があります。
美容クリニックでリベルサスを推進する理由:
美容クリニックでは、サクセンダのような冷蔵保管が必要な GLP-1 受容体作動薬よりも、保管が容易なリベルサスが選ばれる傾向にあります 。
これらの理由から、リベルサスはダイエット薬として安易に使用すべきではないと考えられています。
より詳しく知りたい方はこちらの書籍をお読みください。