ゼップバウンドの臨床試験データ
ゼップバウンド(一般名:チルゼパチド)は、イーライリリー社が開発した肥満症の治療薬です。この薬は、GLP-1/GIP受容体作動薬として働き、
食欲を抑えたり、体重を減らす効果が期待されています。
ゼップバウンドの平均的なダイエット効果は72週(約1年6ヶ月)で
約12-20%と言われています。
治療を続けることで最大25.3%の減量が可能であることが示されています。


SURMOUNT-J試験は、肥満または高度肥満、かつ肥満に関連する健康障害を有する日本人の成人を対象 に実施された、第3相多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検試験です。主要評価項目として、ベースライ ンから72週時の体重の平均変化率、および5%以上の体重減少を達成した試験参加者の割合が評価されまし た。試験参加者は、それぞれプラセボ群、チルゼパチド10mg群、チルゼパチド15mg群の3群に割り付けられ、 4週間のスクリーニング期間を経た後、用量漸増期間として1回2.5mg週1回皮下投与から開始、4週ごとに投 与量を2.5mgずつ増量しました。それぞれの投与群が規定用量(チルゼパチド10mgまたは15mg)にまで達し た時点で投与量を固定し、その後72週の試験終了時点まで投与を継続しました。 72週時の体重のベースラインからの平均変化率は、プラセボ群(n=75)1.7%減に対して、チルゼパチド10mg 群(n=71)17.8%減、チルゼパチド15mg群(n=76)22.7%減と、チルゼパチド両群でプラセボ群に対する優越性が示されました。
複数回投与で効果が実証されている
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SURMOUNT-J試験は、肥満または高度肥満、かつ肥満に関連する健康障害を有する日本人の成人を対象 に実施された、第3相多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検試験です。主要評価項目として、ベースライ ンから72週時の体重の平均変化率、および5%以上の体重減少を達成した試験参加者の割合が評価されまし た。試験参加者は、それぞれプラセボ群、チルゼパチド10mg群、チルゼパチド15mg群の3群に割り付けられ、 4週間のスクリーニング期間を経た後、用量漸増期間として1回2.5mg週1回皮下投与から開始、4週ごとに投 与量を2.5mgずつ増量しました。それぞれの投与群が規定用量(チルゼパチド10mgまたは15mg)にまで達し た時点で投与量を固定し、その後72週の試験終了時点まで投与を継続しました。
「5%以上の体重減少を達成した試験参加者の割合」は、プラセボ群の20.0%に対し てチルゼパチド10mg群94.4%、チルゼパチド15mg群96.1%と、両群ともにプラセボ群に対する優越性を示し ました。さらに、副次評価項目として、72週時の体重がベースラインから7%以上減、10%以上減、15%以上減、 20%以上減、とそれぞれの達成率を比較したところ、いずれの評価項目においてもチルゼパチド両群で、プラ セボ群に対する優越性が示されました。
血糖コントロールでも効果が実証されている

本試験では、72週時に肥満に関連する健康障害の改善が認められた参加者の割合についても検討されまし た。耐糖能異常、脂質異常症、および非アルコール性脂肪性肝疾患のうち2つ以上の健康障害が0または1に なった参加者(高度肥満の場合は1つ以上の健康障害が0になった参加者)の割合は、プラセボ群11.1%に対 してチルゼパチド10mg群70.0%、チルゼパチド15mg群79.7%という結果が示されました。またそれぞれの改 善度を見ると、耐糖能異常はプラセボ群28.0%に対して、チルゼパチド10mg群 92.5%、チルゼパチド15mg群 97.8%でした。脂質異常症はプラセボ群 25.0%に対して、チルゼパチド10mg群 72.4%、チルゼパチド15mg群 81.1%でした。非アルコール性脂肪性肝疾患はプラセボ群 9.8%に対して、チルゼパチド10mg群 69.5%、チル ゼパチド15mg群 77.4%でした。
有害事象の発現率

試験中に確認されたすべての有害事象の割合は、プラセボ群(n=75)69.3%に対し、チルゼパチド10mg群 (n=73)83.6%、チルゼパチド15mg群(n=77) 85.7%でした。そのうち重篤な有害事象は、プラセボ群6.7%、チ ルゼパチド群10mg群11.0%、チルゼパチド15mg群6.5%に認められました。試験期間中にチルゼパチド群で 5%以上に認められた有害事象は、COVID-19、便秘、発熱、悪心、下痢、嘔吐、食欲減退、上咽頭炎、背部痛、 腹部不快感、頭痛、免疫反応、注射部位反応、関節痛でした。プラセボ群と比較すると、特に胃腸障害関連事 象(便秘、悪心、下痢など)の発現割合が高く認められました。
臨床試験で集計された有害反応
ゼプバウンド投与を受けた成人における有害反応(2%以上かつプラセボ以上)



SURMOUNT-1試験およびSURMOUNT-2試験から集計された有害反応の発生頻度の表
SURMOUNT-1試験:糖尿病を有さない肥満(BMI ≥ 30 kg/m 2)または過体重(BMI ≥ 27 kg/m 2) 2,539 人の成人患者が対象
SURMOUNT-2試験:BMI27以上の糖尿病患者938人を対象
2 型糖尿病患者を対象とした試験では、低血糖 (血漿グルコース < 54 mg/dL) が ゼップバウン 投与患者の 4.2% に報告されたのに対し、プラセボ投与患者では 1.3% でした。
2 型糖尿病のない肥満/太りすぎの成人を対象とした試験では、低血糖は系統的に捕捉されませんでしたが、プラセボを投与された患者では 0.3% の ゼップバウン 投与患者で血漿グルコース <54 mg/dL が報告されませんでした。
この表は、2 つの第 3 相プラセボ対照試験における ゼップバウン の使用に関連する一般的な副作用を示しています。パーセンテージは、治療中に少なくとも 1 回副作用が発生したと報告した成人患者の数を示しています。
臨床試験での治療中止率

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副作用のためにゼプバウンドを中止した成人の大多数は、治療開始から数か月以内に胃腸の副作用のために中止した
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プラセボよりもゼプバウンドでより頻繁に発生する最も一般的な副作用は消化器系関連でした
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吐き気、嘔吐、下痢の報告のほとんどは用量増加中に発生し、時間の経過とともに減少した
肥満(BMI ≥ 30 kg/m 2)または少なくとも1つの体重関連合併症を伴う過体重(BMI ≥ 27 kg/m 2 )の成人を対象に研究されました。
ゼプバウンドの臨床試験では、ゼプバウンドを投与された患者(5 mg 56%、10 mg 56%、15 mg 56%)の方がプラセボ(30%)よりも胃腸の副作用の発生率が高いことが分かりました。
SURMOUNT-1試験およびSURMOUNT-2試験から統合された治療中止率の表
SURMOUNT-1試験:糖尿病を有さない肥満(BMI ≥ 30 kg/m 2)または過体重(BMI ≥ 27 kg/m 2) 2,539 人の成人患者が対象
SURMOUNT-2試験:BMI27以上の糖尿病患者938人を対象